Classici giapponesi con furigana
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いのうはりまのかみ
稲生播磨守
林 不忘
Leggi 稲生播磨守 (いのうはりまのかみ) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.172 caratteri · 29 schermate
人間と人間、男と男として、おれの言うことをひととおり聞いてくれ。この加世は、いまだに立派にそちの妻だぞ。側へ召し上げて以来、そちを想う加世の純情を見るにつけ、余は、自分の乱行に眼が覚めた――。
郁之進 えっ! (茫然たることしばし、ふたたび腹を切ろうとする)
播磨 (傷に苦しみながら、郁之進を制して)おれは加世によって、人間の美しい愛情を、はじめて見たぞ――今までの女は今まで余の手をつけたすべての女は、余を主君とのみ観て、みな絶対無条件に、死んだようになって余の意志に従った。が、おれは、男として、人間として、そのたましいの脱けた人形のような女たちには、飽き飽きしてしまったのだ――。
郁之進と加世は、苦しげな播磨守のようすにおどろいて、あわてて左右から支える。
播磨 ううむ、それで、それで、理不尽にも加世を奪り上げたのだが、彼女は、いかにしても拒みとおすのみか、日夜良人を慕って泣く加世の純真な姿に、おれは、おれは、長らく求めてえなんだほんとうの女を見たのだ――加世だけはこのおれを、馬鹿大名と扱ってはくれなかった。憎むべき一個の男として、拒絶しとおしてくれたのだ。