Classici giapponesi con furigana
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あるゆうかくでのできごと
空にむかひて
若杉 鳥子
Leggi 空にむかひて (あるゆうかくでのできごと) di 若杉 鳥子 (わかすぎとりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.677 caratteri · 46 schermate
2 無理心中
F楼の廊下から中庭の飛び石へ、離室からまた店へ――彼女の遁げめぐる痕々へ生命の最後の赤い点滴が綴られた。
追われ追われて、彼女は再び往来をめがけて外に突進しようとして、F楼の上がり框から地面へ飛び降りた。それがもうみどりの最後の努力だった。
その時丁度F楼の軒下に瓦斯工事が行われつつあったので、深い溝が掘り下げてあった。運命なのか、地面へ飛び下りるつもりの彼女は、丁度その坑へどんと俯伏せに陥ちこんだ時、如何とも全力が尽きてしまった。
この時男は背後から滅多突きに突いた。
『ああこれで気持ちがさっぱりした』
彼はこういって嘯きながら神妙に捕らわれてまた幾度目かの入獄をした。
それが、ある春の宵の出来事である。
2 無理心中
春といえば……それも四月頃の一事件だった……と私は思い出す。
風邪をひいて寝ていた私は、火点し頃になってようやく目をさました。周囲を見廻すと人がいないし、外に出て見ても変に往来は人通りがなく、何処の家も大変静粛であった。
近所に何事か起こったらしい――すぐそう感じられる位イヤに静かだった。
すると、ある者がそそくさと向こうから帰って来たので、私はその人を捉えて訊いた。