Classici giapponesi con furigana
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くうちゅうせいふく
空中征服
賀川 豊彦
Leggi 空中征服 (くうちゅうせいふく) di 賀川 豊彦 (かがわとよひこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 107.687 caratteri · 215 schermate
実はわしも自分に飽き飽きしておるのじゃ。こんなにゴロツキのような風采をしておると、誰も寄りついてくれないだろう。わしも寂しくて仕方がないのじゃ。今になりゃ、この大きな爪が邪魔になって仕方がない。この爪があるばかりに〈めだか〉でも、鰌でも、みなわしを見ると逃げ出すのじゃ」
蟹は涙を流して、自己の不運を嘆いた。蟹の虜となりながら、蟹の話しをきかされると同じように彼も悲しくなった。
「君は無抵抗主義か? 」
と蟹はだしぬけに聞いた。
「そうですね、人はみなそう言います。しかし、私は徹底的の抗争論者です。ただその抗争を暴力でしたくないだけです」
「暴力のほかは、何でもよいのか? 」
「まア、そうです」
「そのほうが賢いなア」
「私はもう帰りたくなった。帰らせてくれませんか」
「もう少し俺に話してくれ。俺はさびしい。軍備縮少の話でもしてくれ。……世界は果して、軍備を縮少して安全であり得るかどうか。それを話してくれ! 生存競争はどの程度まで必要なのだ。それについても教えてくれ、己は今煩悶しているのだ。俺は産れ落ちてから、こんな重い甲冑を着せられているので、そのことばかりが、煩悶の種になっているのだ」