Classici giapponesi con furigana
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くうちゅうせいふく
空中征服
賀川 豊彦
Leggi 空中征服 (くうちゅうせいふく) di 賀川 豊彦 (かがわとよひこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 107.687 caratteri · 215 schermate
六五 虹より落ちし人
しかし、その金がどこを叩いたって、今出るところがあるものか。株は三文の値もない。
彼はもう生ていることさえいやになった。
六五 虹より落ちし人
挿絵65
「俺はもう駄目だ」
安治川舟三は煩悶した。
「俺は罰が当ったのだ! 炭坑の坑夫連はさぞ、俺の失敗を悦んで迎えるであろう。俺は九州折尾の納屋頭から身を起して、北九州鉱業会社の重役になるまでには、随分悪いことをした。俺の炭坑で死んだ坑夫も何十人、何百人となくある。しかし、俺はそれらのものに対してなすべきことをしておらない。その罰が今当ったのだ!……俺の虹はもう消えてしまった。俺は……虹から突き落された! すべてが運命だ! しかし、その運命の導くがままに動くよりほかに道はない。しかし……もう今となっては、すべてが行詰りだ。ただ死ぬことが残っている。死ぬことも怖ろしくて死ねぬ。炭坑の中で死んだ幾百の坑夫の亡霊が、一度に自分を攻め囲むようだ――」
彼はパノラマのように自分の過去の悪業が眼の前に展開するを見た。
福岡県後藤寺の宿屋の長男に生れて、幼少の時から腕白もので、小学校もろくろく卒業しないうちから賭博を覚え、とうとう学校をやめて、父の親友であった若松の大親分に預けられ、石炭の積込の小僧として働かされたが、その関係で折尾に納屋を建てて、坑夫の労銀の頭をはねることを覚え