Classici giapponesi con furigana
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くうちゅうせいふく
空中征服
賀川 豊彦
Leggi 空中征服 (くうちゅうせいふく) di 賀川 豊彦 (かがわとよひこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 107.687 caratteri · 215 schermate
八〇 十字架上の煽動者
そこには市長反対派のすべての議員が集っていた。
松島が裁判長で、梅田、島、堀江などが陪席判事という資格である。もちろん私設裁判所だから、検事も判事もない。みなが検事でみなが判事である。
松島は大きな声で訊ねた。
「おい、賀川、貴様は安治川舟三を呪い殺したのか? 」
「……」
市長は黙って何にも答えない。
「貴様は切支丹伴天連の法を使うて、思うた時に雨を降らせ洪水を出すことが出来るというが、ほんとか? 」
「……」
市長はなおも黙っている。
「貴様は煤煙防止を叫んで、産業を破壊し、国家の秩序を乱し、空中国家の設立を思い立ち、わが大和島根の国憲を危くするがごとき態度に出たことは実にけしからぬことである。すでに空中に行った人間は五万人からあるというが、みな空中で飢え死にして、死骸がぼたぼたと天から落ちて来るというが、事実相違はあるまいなア! 」
「……」
「おまえは天下の婦女子をたぶらかせ、市政を乱し、女子をして政治に携らしめて我国の美風を傷つけ、朝憲を紊乱せしめたものである。すべてこれらは死刑に該当するものであるからおまえを死刑に処す」
賀川豊彦は死刑の宣言を受けたが、平気でいた。