Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くうちゅうせいふく

空中征服

賀川 豊彦

Leggi 空中征服 (くうちゅうせいふく) di 賀川 豊彦 (かがわとよひこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 107.687 caratteri · 215 schermate

Aozora Bunko

「――難波津の蘆辺の千鳥泣きくれて――」

ここまで言うと隅ッこにいる青年が美しい声に昂奮して、

「呂昇よりうまいぞ」と叫んだ

「人の心の浮沈み――」

「よう女雲右衛門! 」と叫ぶものがある。

誰かは「美しい女を見ると昂奮するね」と囁く。

お染は平気である。

「……高き屋に登りて見れば煙のみ、立つぞ悲しき。真昼にも、ガスや電燈の力借り、天道様の顔もみず、色青白く頸長く、青息吐息に血を混え、吐くぞ悲しき浪花津の肺病娘のうらめしき……」

満堂シーンとして、咳一つさえ聞えない。

「煙は闇と立ちこめて、道行く人は闇を行く。闇世の沙汰もとりどりに、鳥辺の山の生地獄、まだ目を閉じぬその前に、焦熱地獄のそのわめき、恋も情も煙り行く、難波の果ぞ哀れなる……」

お染の演説が清元の調子になってゆくので、お染の節に合せて、

「今も昔は瓦街、名代娘のただひとり」

とやる男もある。

お染は、そんなことに気もくれないで、先の男の節の後を引受けて、

「赤鬼、青鬼はおらねども、人肉市の強奪に、資本主義のみ栄えゆき、煙る心に安きなく、死人と肺病殖えてゆく、煙の都は死の都、死出の旅路に出る覚悟なら、いっそよいことしてゆこう。