Classici giapponesi con furigana
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くうちゅうひょうりゅういっしゅうかん
空中漂流一週間
海野 十三
Leggi 空中漂流一週間 (くうちゅうひょうりゅういっしゅうかん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.324 caratteri · 35 schermate
二人の頭のうえからも、小さい滝がじゃあじゃあと落ちてくる。仰げども見えないけれど、気球に溜った水滴が集って、上からおちてくるのであろう。が、なにしろなにも見えない。ゴンドラの中まで、磨硝子を隔てて見ているような調子だ。キンチャコフは、このときとばかりに、顔のうえを流れおちる雨水を、長い舌でべろべろ嘗めまわしている。
密雲が下にある間や、その密雲の中をくぐりぬけている間は、そうでもなかったけれど、気球が密雲をすりぬけて、それを上に仰ぐようになったとたんに、俄かに墜落感がつよく感ぜられた。眼下はひろびろとした一面の海原であった。そして海面までは案外近くて、ものの四五百メートルしかない。
「ああ、海だ」
「おお海だ。どこの海だろうか」
「この色は、日本海だ」
六条のいったことは、間違いでなかった。
「日本海なら、船がたくさん通るだろう。墜落しても大丈夫助かる」
とキンチャコフは、俄かに喜色をうかべていったが、なに思ったか、ポケットから例のピストルを出して六条につきつけた。
「なにをするんだ、キンチャコフ」
「いや、嚇しではない、本気なんだ。船が見えたら、貴様は綱をひいて、気球の瓦斯を放出して下におりて、助けられるつもりだろうが、それについて、ちと注文があるんだ」