Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くうしゅうそうそうきょく

空襲葬送曲

海野 十三

Leggi 空襲葬送曲 (くうしゅうそうそうきょく) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 95.012 caratteri · 189 schermate

Aozora Bunko

と、長造が云った。

「お母ア様、工場へ電話をかけたらどうです」黄一郎が云った。

「それもそうだが、弦の居るところは、夜分は電話がきかないらしいんだよ」

「なーに、彼奴清二の二の舞いをやりかかってるんだよ。うちの子供は、不良性を帯びるか、さもなければ、皆気が弱い」

父親はウッカリ、平常思っていることを、曝け出したのだった。今日は云うのじゃなかった、と気のついたときは既に遅かった。一座は急に白けかかった。紅子は、断髪頭を、ビューンと一振りふると、卓子の前から腰をあげようとした。

「唯今――」

詰襟服の弦三が、のっそり這入ってきた。なんだか、新聞紙で包んだ大きなものを、小脇に抱えていた。

「まあ大分ひまが懸ったのね。さァ、こっちへお坐り。お父様がお待ちかねだよ」母親が庇うようにして、弦三の席に刺身醤油の小皿などを寄せてやった。

「――」弦三は無言のまま、席についた。

「弦おじちゃん、大変でしたね」嫂の喜代子も、お妻について弦三を庇った。「さあ、ミツ子、おじちゃん、おかえんなさいを、するのですよ」

ミツ子は母の膝の上で、肥った首を、弦三の方にかしげ、怪訝な面持で覗きこんだ。