Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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まどにさすかげ

窓にさす影

豊島 与志雄

Leggi 窓にさす影 (まどにさすかげ) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.068 caratteri · 26 schermate

Aozora Bunko

」

それから、また天井の方へ眼をやった。

「のっぺらぽうのことなんか、忘れてしまいなさい。そのお話、だいたい、理屈っぽいよ。のっぺらぽうよりか、一つ目小僧とか、三つ目小僧とかの方が、愛嬌があっていい。一つ目小僧や三つ目小僧のお話なら、いくらもあるでしょう。楽しいことを考えるんだよ。気持ちをらくに持ちなさい。そうでなくても、あんた、神経が少しくたぶれてるからね。あたしのことにいろいろ気を使って、看護婦よりもよく世話してくれるものね。あ、そうそう、約束してあげましょう。のっぺらぽうのことなんか忘れてしまったら、そしたら、わたしが亡くなったあと、あの窓の硝子に、わたしのにこにこしてる顔を映してみせるよ。待っといで、きっとそうしてみせるから。その代り、気味わるいことなんか忘れてしまうんだよ。」

私は涙ぐんでしまった。

「いや、いやよ、そんなこと仰言っちゃ。」

祖母は腑に落ちない風だった。

「なにが、いやなの。」

「亡くなるなんて、そんなこといや。いいえ、きっとお癒りになるわ。お癒ししてみせるわ。あたし、学校を休んでも、どんなことしてでも、きっとお癒しするわ。」

私は顔を伏せてすすり泣いた。