Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かまどのなかのかお

竈の中の顔

田中 貢太郎

Leggi 竈の中の顔 (かまどのなかのかお) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7439 caratteri · 15 schermate

Aozora Bunko

※(ローマ数字3、1-13-23)

「お供の方、あなたにも茶をあげよう」

僧の声とともに若党の声がしていた。三左衛門は刀を持って起ちあがった。そこへ僧が引返して来た。

「ひどく御厄介をかけたが、これでお暇します、また明日でもお暇があれば、手合せを願います」

「それではお帰りかな、じゃ、また明日でも伺おう」

三左衛門は僧を後にしないようにと用心して草履を穿いた。若党は揉手をして立っていた。

※(ローマ数字3、1-13-23)

三左衛門は後を用心して庵を離れて山をおりた。

「旦那様、あなた様は、あのお茶を召しあがりましたか」

若党が後から呼吸をせかせかさせながら聞いた。

「お前はどうした」

「私は捨てました」

「そうか、捨ててよかった、あんな処の茶なんか、決して飲むのじゃない、俺も飲むふりをして、捨ててしまった」

三左衛門は若党を促して走るように山をおりて温泉宿へ帰ったが、どうも不審でたまらないのですぐ宿の主翁を呼んだ。

「今日は、豪い目に逢うた、主翁、お前は、あの毎日碁を打ちに来る坊主を、何んと思う」

「何か御覧になりましたか」

「見たとも、あの庵へ通りかかって、たいへんなものを見たぞ」

主翁は急に何か思いだしたように手をあげて押えるようにした。