Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
だいにこんにゃくぼん
第二菎蒻本
泉 鏡花
Leggi 第二菎蒻本 (だいにこんにゃくぼん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.739 caratteri · 32 schermate
ドンと落ちると、盆は、ハッと持直そうとする手に引かれて、俊吉の分も浚った茶碗が対。吸子も共に発奮を打ってお染は肩から胸、両膝かけて、ざっと、ありたけの茶を浴びたのである。
むらむらと立つ白い湯気が、崩るる褄の紅の陽炎のごとく包んで伏せた。
頸を細く、面を背けて、島田を斜に、
「あっ。」と云う。
「火傷はしないか。」と倒れようとするその肩を抱いた。
「どうなさいました。」と女房飛込み、この体を一目見るや、
「雑巾々々。」と宙に躍って、蹴返す裳に刎ねた脚は、ここに魅した魔の使が、鴨居を抜けて出るように見えた。
女の袖つけから膝へ湛って、落葉が埋んだような茶殻を掬って、仰向けた盆の上へ、俊吉がその手の雫を切った時。
「可ござんすよ、可ござんすよ、そうしてお置きなさいまし、今私が、」
と言いながら白に浅黄を縁とりの手巾で、脇を圧えると、脇。膝をずぶずぶと圧えると、膝を、濡れたのが襦袢を透して、明石の縞に浸んでは、手巾にひたひたと桃色の雫を染めた。――
「ええ、私あの時の事を思出したの、短刀で、ここを切られた時、」……
と、一年おいて如月の雪の夜更けにお染は、俊吉の矢来の奥の二階の置炬燵に弱々と凭れて語った。