Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かがりびのおんな

篝火の女

吉川 英治

Leggi 篝火の女 (かがりびのおんな) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.727 caratteri · 56 schermate

Aozora Bunko

女子道・武士道

『……どうしたのでしょう、これはいったい?』

八雲はうつつのようだった。うつろな眸が、この意外な人間の姿を、眼に見ても信じられないのであった。

『ごもっともです』

熊楠は、いつものような重い声でいう。

『すべてが、自分一存で為したこと、おわかりになりますまい。かような智謀は、あなたのような清純なお人には、分らぬままがむしろよい。ただ、末ながく、お倖せであれ、よいお子をもうけて、八雲様は、恩師五郎左衛門先生へ、又、三郎進殿は、厳父越前守どのへの御供養をあそばされい。――そして、この熊楠は、ただ欣ばしさでいっぱいでござる、決して、誇言ではない、衒いでもない、欣しいのです、欣し涙が出てならないのでございまする』

女子道・武士道

『どうしてでしょう、私は知りたい。熊楠、何がそなたは欣しいのですか』

『男の為ることを為し事が……』

『では、初めからそなたは、この八雲も、お父様をも、恨んではいなかったのですか』

『なんでお恨み仕るすじがありましょうか――熊楠の今日あるも、恩師のお陰、一日とて、忘れ申したことはない。ただ、世上の詭弁者が、とやこうと、某の心を測ったり、あなた様の身辺に、危い風聞をしきりに沙汰いたしまする故、いわゆる、兵学の逆策をもって、まず自分より先に、あなた様の敵に立って、あなた様にかかる矢を、すべてこの身にうけ