Classici giapponesi con furigana
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せいしんびょうおぼえがき
精神病覚え書
Leggi 精神病覚え書 (せいしんびょうおぼえがき) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9027 caratteri · 18 schermate
一ヶ月余の睡眠治療が終って、どうやら食慾も出、歩行もいくらか可能になったころ、まだ戸外の散歩はムリであるから、医者のフリをして、ちょッと外来を見せて貰った。幸い僕の担当が外来長の千谷さんであったから、有無を言わさず、僕が勝手に乗りこんだようなものであった。
ほかの精神病院のことは知らないが、東大に関する限り、ここが精神病院の何より良いところである。お医者さん、看護婦、附添い、すべて患者の神経を苛立たせないように、これつとめ、これを専一に注意を払ってくれる。神経科以外の病棟は決してこう行き届く筈はないだろうと思った。だから僕は、ほかの病気で入院する時でも、神経科へ入院して、その専門の病室へ通うのが何よりだと思ったほどである。
僕が外来で新患の診察を見たとき、患者は二十人ぐらいであった。そのうち、七八人は学童であったが、これはちょうど、時期が休暇に当っていたせいだという話であった。学童の親たちは、言い合したように「ヒキツケ」という言葉を用い、テンカンという言葉を用いた者は完全に一人もいなかった。
このヒキツケの学童たちは、いずれも智能劣等であった。