Classici giapponesi con furigana
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ふんにょうたん
糞尿譚
火野 葦平
Leggi 糞尿譚 (ふんにょうたん) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.974 caratteri · 99 schermate
そう云って両手を差上げたが、両肩から手首近くまで、自来也の彫青があるのが、濡れているせいであろうか、巻物を咬えた蝦蟇の眼玉がぎろぎろと動いて赤瀬を睨んだように見えた。赤瀬も太った左腕をあげて、渦を巻いている竜の顔の上をなでながら、お互若気のいたりと云いながら、馬鹿なことをしたものですよ、親から貰った身体を汚してしまって今更取り返しのつく話ではないが、時世の変ったこの頃では気恥かしくてうかうかとは裸にもなれない始末です。その通りです、赤瀬さん、あなたのは片腕だけでなんぼかましですが、あたしは全身なので、若い頃にはそうでもなかったが、年とったこの頃では寒い頃には身体を締めつけられているようでやりきれません、風邪でも引いたりすると、ずきずきと痛むようなこともあります、痛い目を我慢して若い頃というものはお互無茶をしたものですな、もっともあの頃はこれで威しもきいたし、賭場にはぐりつけに行っても、この刺青が長脇差の代りになったような事も、あるにはあったのですよ、はははは、とおかしくもなさそうに笑った。赤瀬も苦笑したが、そこで話が途切れて二人は云い合わせたように窓の外に眼をやったが、腰硝子越しに、芋畑が見えて、広い芋の葉が風をうけて、団扇をふるようにかさかさと鳴って動いていた。