Classici giapponesi con furigana
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ふんにょうたん
糞尿譚
火野 葦平
Leggi 糞尿譚 (ふんにょうたん) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.974 caratteri · 99 schermate
実は、市指定になってから、これまで指定汲取人がどうしても長続きせず、投げ出しては代り、投げ出しては新たに指定人が出来していた事情が次第にわかって来て、この頃では彦太郎自身少々うんざりして居るのである。結局は汲取請負業が少額であるためであるが、時折、市役所に行く度に、衛生課長の杉山氏に愚痴を述べ立ててみるのだが、気の毒だが予算がないので何ともならない、出来なければやめて貰う外はない、の一点張りで、埒が開かない。それはしかし無理ではありませんが、実費にも満たない金額でどうして三十ヶ所もある市の建造物の汲取りが出来ますか、と哀願するように云っても、杉山氏は、煙突のようにつぎつぎに煙草を吹かし、しょぼしょぼした眼を眼鏡の中から光らせながら、汲取った糞尿は田舎に売りに行けば肥料になるではないか、それが相当の収入になる、引き合わぬことはない筈だ、いくら愚図愚図云ったところでどうにもならんと云ったらならんのだから、と最後には、焦立たしそうに卓を叩いて、文句があるなら市長に云いたまえ、と云うのであった。まさか市長に云う訳にも行かず、その儘帰って来るのだが、買収問題さえなかったら、いっそ投げ出してしまいたい位なのである。