Classici giapponesi con furigana
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ふんにょうたん
糞尿譚
火野 葦平
Leggi 糞尿譚 (ふんにょうたん) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.974 caratteri · 99 schermate
バ
カ
ノ
ヒ
ト
ツ
オ
ボ
エ
子供までが自分を馬鹿にすると思い、瓦斯のところに来て釜の蓋をとった。釜を下すと代りに味噌汁の鍋をかけ框に腰を下して、鉈豆煙管を取り出してきざみをつめながら、なるほど馬鹿のひとつおぼえかも知れぬと思うと、我ながらおかしくなって来た。幼い頃、話し好きな母から色々な昔話をたくさん聞かされたが、その中で、不思議に、この長久命の長助の話だけが彼の記憶に残った。あとの話はみんな忘れた、彼は誰でもがどうしても憶えきれないこの長い名前をよく暗記した。そこで、彼は人が彼を低能などと罵ることがあっても、自分は決して頭が悪くないと自負した。彼は何時何処ででも、いくら酒に酔っていても、この長い名前を、一言一句の間違いもなく、何回でも繰り返すことが出来た。煙草の煙を輪に吹き、もういっぺん長久命の長助の名前を早口で云ってみて、それから飯を食べはじめた。
八時に運転手の沢田が来る筈になっていたのに、八時半になっても来る様子がなかった。トラック小屋の裏に廻り、トタンの扉を叩いて、金本、居るかと、云うと、はあい、睡そうな声がしたが、出て来る気配がないので、扉を開けると、李聖学は、立て膝で坐りこんだ女房とさし向かいで、朝鮮将棋をやっていた。