Classici giapponesi con furigana
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さいきこうい
細木香以
Leggi 細木香以 (さいきこうい) di Mori Ōgai (森 鴎外) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.332 caratteri · 45 schermate
十四
摂津国屋の墓石には、遠く祖先に溯って戒名が列記してあるので、香以の祖父から香以自身までの法諡は下列の左の隅に並んでいる。
詣で畢って帰る時、わたくしはまた子を抱いた女の側を通らなくてはならなかった。わたくしは女に問うた。
「親類の人が参詣しますか。」
「ええ。余所へおよめに往った方が一人残っていなすって、忌日には来られます。芝の炭屋さんだそうで、たしか新原元三郎と云う人のお上さんだと存じます。住職は好く存じていますが、只今留守でございます。なんなら西教寺とこちらとの間に花屋が住っていますから、聞いて御覧なさいまし。」
わたくしは再び女に謝して寺を出た。そして往来に立ち止って花屋を物色した。
西教寺と願行寺との間の町家は皆新築の小さい店になっている。その間に挟まれて、ほとんど家とは云い難い程の小家の古びたのが一軒あって、葭簀が立て廻してある。わたくしはそれを見て、かつてその前に樒のあるのを見たことを想起した。
わたくしは葭簀の中に這入った。家の内はもうほとんど真暗である。瞳を定めて見れば、老いさらぼうた翁媼が蹲っている。家も人も偶然開化の舌に舐め残されたかと感ぜられる。