Classici giapponesi con furigana
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びしょうねん
美少年
岡本 かの子
Leggi 美少年 (びしょうねん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.417 caratteri · 27 schermate
わたしは自分ながらどうしてこの少年の前に立つときだけ、こういう月並な少女の振舞いをするのかと訝る。やはり少年のきりょうに、圧されるためかしらん。そして少年がわたしを見付けてつかつか側へ寄って来ると、避けるように身を交し、心にもなく、元来た方向へと逃げ気味に駆け出すのであった。
追い縋った少年はわたしの肩を小突く。
「なんでい、なんでい、こんな野暮な風態をして。これじゃまるで親類へお客さまに行くようじゃないか」
そういいながら彼はわたしの締めている帯の厚板織の乱菊の模様を見入り、この細工の盛り上り方に向って、金目のかかった相当な代ものであると値踏みする小商人のような眼付をした。わたしはその卑しい眼付に嫌気を催しながら、
「でも、お祖母さんが――」
といいさし、彼の視線をはぐらかすように歩き出した。おなかの中では「なんだ、おまえの風態は」といい返している。
少年は小肥りの身体に、変り縞の久留米絣を着ていた。藍鼠の絹紬を角帯に仕立てたものを博多結に結んでいた。中学生の癖に、廉もの揃いで、通人振ろうとおつにひねった風態をしたがる。さもしさが見透いている。
だがこれをすることに加担してこうさしている少年の母親も気が知れないとわたしは思い及ぼして行く。