Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

よしおさん

義男さん

今野 大力

Leggi 義男さん (よしおさん) di 今野 大力 (こんのだいりき) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 557 caratteri · 2 schermate

Aozora Bunko

義男さんよ

なぜそんなに考えてるの

一生懸命だね

何を読んでいるの……

ああそうか「死線を越えて」か

おもしろいかね

いえなあに借りて来て

読んでいるんですよ

此頃は歌はどうです

沢山書いているでしょう

いえなあに駄目ですよ

さっぱり此頃は

書けませんし出来ないし

わたしももうよしているし

ああそう言われた義男さんが

終に亡くなられた

私と同じ局にいても

いつもおとなしく

少しも高ぶらない君が

いつもこっそり本を読んで

暇などは出さなかった

文字は殊に注意していた

自分の書くことは

どんなに美しくとも

いつもきたないって

手紙のはしに書きそえた

りりー取りの六月十一日

あれがほんとの別れの旅か

淋しくも二人一処に

写真機を持って

行って来たその日

多くは言わない義男さん

ほころびの詩集を出して

あの山の斜えに座して

読んで見た時の思いよ

石切山を指して

共に語りし義男さん

ああ今は亡き人

帰り路は暗かった

汽車を降りて

雨上りの灯の街の

小石路を歩んだ時

それがほんとの別れの旅か

情あるうるわしの人の

死は殊に美しい

義男さんはそうであった

通信書記補の任官になっても

一度も勤めずに

ただ遺牌の文字となり

死なれた事のかなしさよ