Classici giapponesi con furigana
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おうがいのけんこうとし
耄碌寸前
森 於菟
Leggi 耄碌寸前 (おうがいのけんこうとし) di 森 於菟 (もりおと) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 43.925 caratteri · 89 schermate
という。僕はその時、ドキンとしてせっかくの死室三昧の佳境から叩き起されてしまう。「なに、ざ、雑誌社」すっかり平静を失ってしまったために呂律が廻らぬ舌で鸚鵡返しに反応する。「ええ」一時は自らジャーナリスト志望であったとか、なかったとか言われているだけあって、助手君は一向にこちらの動揺がわからぬらしい。
ああおそろしき哉、ジャーナリズム。彼等には血管があり、脳があり、口があり、時には、手のようなものがあって、青白き青年文士を黙殺という特別な殺し方で殺すという。息子からの耳学問なのだが、イギリスの詩人でキーツという人は、ジャーナリズムのためにほんとに殺されてしまったそうだ。けれど、けれど、とまだ半ば夢から醒めやらぬ回転ののろい頭の中でせわしく考える。その血管を、頭脳を、口を、そのおそろしい手を僕は解剖できるだろうか……僕の謙虚で厳正なメスと、あの見えざる巨大な肉体といかなる関係があるだろうか。
そう思うと白昼死体置場にお化けが出てきたようで、冷水でもあびせられたようにぞっとなった。こりゃ、もう一度死体の顔でも見てこなきゃ生きた心地がしない。僕はこうして勇気を振い起し、今日の御注文は何でございましょうと、恐る恐る、見えざるジャーナリズム大王の使者である記者氏の待つ電話口へ、まかりでるのである。