Classici giapponesi con furigana
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たんでき
耽溺
岩野 泡鳴
Leggi 耽溺 (たんでき) di 岩野 泡鳴 (いわのほうめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 55.597 caratteri · 110 schermate
たいような気がした。僕は掃き溜めをあさる痩せ犬のように、鼻さきが鋭敏になって、あくまで耽溺の目的物を追っていたのである。
やがて菊子が下りて来て、
「お父さんはお花に夢中よ」と言う。まだ多少はしおらしいところがあって、ちょッと顔を出せとでも言って来たものらしい。会いたくないと言ったのだろう。僕は、かのうなぎ屋で、おやじが「こんなところでお花でもやれば」と言ったのは、僕をその方へ引き込もうとして、僕の気を引いて見たのだろうと思い出された。
「なァに、どうせ僕は花はしないから――」
お袋はいないし、おやじは僕を避けている。婆アやも狭い台どころへ行って見えない。
一昔も過ぎたかのように思われる国府津のことが一時に僕の胸に込みあがって来て、僕は無言の恨みをただ眼のにらみに集めたらしい。
「あのこわい顔!」菊子は真面目にからだを竦ませたが、病んでいる目がこちらを見つめて、やにッぽくしょぼついていた。が、僕にもそのしょぼつきが移っておのずから目ばたきをした時、かの女は絳絹の切れを出して自分で自分の両眼のやにを拭いた。
お袋がいずれ挨拶に来るというので、僕はそのまま辻車を呼んでもらい、革鞄を乗せて、そこを出る時、「少しお小遣いを置いてッて頂戴な」