Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はだいろのつき

肌色の月

久生 十蘭

Leggi 肌色の月 (はだいろのつき) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 50.706 caratteri · 101 schermate

Aozora Bunko

「おかしいね、それを、どこから見たんだ」

「玄関の脇窓から」

加藤捜査一課は背筋を立てると、頭ごなしにやりつけた。

「絶対にロッジの近くへ寄りつくなといったろう?……まずいことをするじゃないか。感づかれると、やりにくくなって困るんだ」

「いや、どうも……立っていたところに、偶然に窓があったもんですから」

「感づかれたらしいようすはなかったか」

「大丈夫だろうと思います」

「君が大丈夫というなち、大丈夫だろう……つづけたまえ」

「……女は大池を長椅子に寝かせると、洗面器に水を汲んできて大池の胸を冷やしていました。薬だの酒瓶だの、いろいろと持ちだして来て、熱心にやっていたふうです……私の見たのはそれだけ」

「それだけ、というのは?」

「女が窓のカーテンをひいたので、私のいる位置から、なにも見えなくなったということです」

加藤捜査一課は刺激的な冷笑をうかべながら、

「大池とあの女がロッジで落合えば、どんなことをするぐらいのことは、ここにいたって想像がつく」

と、しゃくるようなことをいった。

「君はそんなことを報告するために、伊東までやって来たのか」

「いや、ちょっとお話したいことがあって」