Classici giapponesi con furigana
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だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
Leggi 脱線息子 (だっせんむすこ) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 108.293 caratteri · 221 schermate
恐れ入った。矢っ張り持つべきものは親友だよ」
と新太郎君は初めてお礼らしいことを言って、もう安心したようだった。
「しかし伯母さんは本気になって心配しているぜ。僕は余りお気の毒だから少し香わせかけたんだけれども」
「何を?」
「松浦さんのことを」
「それは困るよ。尚お心配すらあ」
「ところでもう来たのかい?」
と寛一君は早速当面の問題に移った。
「来たよ。一昨日来た。離れを借り切っている。尤も弟は未だ学校があるから日曜丈けだけれど」
「弟なんか何うでも宜いんだろう?」
「ヘッヘヽヽヽ」
「申分ないじゃないか? 君が逗子と言い出した時、何うも変だと思ったよ」
「そんな遠謀はなかったんだよ。海岸なら逗子と思ったんで、全く偶然さ」
「巧いよ、実際、段取が」
「いや、真正だよ。君を瞞したって仕方がない」
「一緒に海へ入ったかい?」
「うむ。昨日から始めたよ。游泳を教えるのは去年からの約束だもの」
「それで偶然かい?」
「何うも性が悪いね」
「僕は腑に落ちないことは何処までも研究する性分だからね」
「それじゃ白状する。多少予定の行動もあったのさ。今後とも宜しく頼む」
と新太郎君は兜を脱いだ。