Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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のうのなかのれいじん

脳の中の麗人

海野 十三

Leggi 脳の中の麗人 (のうのなかのれいじん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.774 caratteri · 28 schermate

Aozora Bunko

と宮川はおもわず博士の手を握りしめたが、「だが、あの男は暴力でもって、私の頭蓋骨をひらいて脳をとりかえすかもしれません」

「いくら暴力をふるおうと、脳の手術の出来るのは、自慢でいうじゃないが、この儂一人なんだから、儂がいやだといえば、矢部がいくら騒いでも何にもならんではないですか」

「そうですね。それでは、本当に安心していて、いいわけですね」

宮川は、はじめて気が落付くのを感じた。

その後、矢部はちょくちょく宮川のところへやって来た。そしてそのたびに、五十円だとか六十円だとかを、せびっていった。金さえもらえば、矢部は案外おだやかな人物であった。宮川は、ようやく本当に矢部に出会以来の落付をとりもどすことが出来たのだった。

宮川が、矢部事件による緊張から解放されると、こんどは生活が急に退屈になってきた。彼は女の友達が欲しくなった。

彼は思い出して、机のひきだしの奥から、例の青い革表紙の手帖をとりだして、にやりにやりと笑いながら、いくども読みかえした。大したことも書いてないながら、その簡単な日記文に現れるYという女のことが、妙に懐しがられてくるのだった。

このYという女は、その後どうしたろう。