Classici giapponesi con furigana
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せんいのたちば
船医の立場
菊池 寛
Leggi 船医の立場 (せんいのたちば) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.712 caratteri · 22 schermate
室内には、通辞のほかに、二人の夷人が立ち会った。一人は副艦長のゲビスで、他は外科医のワトソンであった。彼は、蘭語を解する上に東洋通であった。
寅二郎は、生来初めての鵝筆を持って、メリケンヘ行きたいという志望を漢文で書いた。ウィリアムスは、早口の日本語でそれは何国の字ぞときいた。
寅二郎が、日本字なりと答えると、ウィリアムスは笑って、それは唐土の字ではないかといった。ウィリアムスの明晰な日本語と日本についての知識とが、寅二郎たちを欣ばした。二人は初めて慈母の手を探り得たような心持になって、その心の内の火のような望みを述べ始めた。
三
間もなく、ポウワタン船の提督の船室で、二人の日本青年の希望を容れるかどうかについて、会議が開かれた。
ペリー提督とその参謀と、ポウワタン船の艦長と副艦長のゲビスと、外科医のワトソンと、通辞のウィリアムスが、それに加わった。
十一時を過ぎていたが、事件が異常であるために、誰も彼も興奮していた。ことに、副艦長のゲビスは、二人の日本青年を見て、その熱誠に動かされただけに、誰よりも興奮していた。
「じゃ、我々はこの青年たちの請を斥けた方が、無難だというのですか」