Classici giapponesi con furigana
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せんいのたちば
船医の立場
菊池 寛
Leggi 船医の立場 (せんいのたちば) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.712 caratteri · 22 schermate
「私は船医の立場から、ただ一言申しておきたい。彼の青年の一人は不幸にも Scabies impetiginosum に冒されている。それは、わが国において希有な皮膚病である。ことに艦内の衛生にとっては一つの脅威である。私は、艦内の衛生に対する責任者として、一言だけいっておく。むろん私はこの青年に対して限りない同情を懐いているけれども」
ゲビスの正義人道を基本とした雄弁も、この実際問題の前には、たじたじとなった。
提督の顔色が再び動いた。彼は青年の哀願を拒絶するために感ずる心の寂しさを紛らす、いい口実を得た。かなり長い熟考の後に提督はいった。
「ゲビス君、私はこの青年に対する同情において、決して貴君に負けはしない。が、私は疑わしき人道よりも、もっと考慮しなければならないものを持っている。その上、かの青年たちの志望よりも、艦内における衛生の重んずべきことについては、諸君が一致していてくれるだろうと思う。それではウィリアムス君! かの青年たちを宥めて、陸上へ返して下さい。ゲビス君! 君はかの青年たちを送り返すために、ボートの用意を命じてくれたまえ」
そして、その命令は即時に実行された。