Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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えんようき

艶妖記

山本 周五郎

Leggi 艶妖記 (えんようき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.761 caratteri · 38 schermate

Aozora Bunko

すばらしい出来ばえである。彼は満足し、ちらと御奉行閣下の顔色をうかがい、さらに満足してやおら訊問に取りかかった。

「この訴状によってみるに、汝ほど不届き至極な者はないぞ」

呉兵衛殿ははたとにらみなされた、

「そもそも汝は上をなんと心得おるか、拙者は袖下郷で賄賂取りの代官とあがめられておる、これは誰知らぬ者なきおごそかな事実じゃ」

ざわざわと法廷に動揺が起こり、どこかでぷっと失笑した者がある、兼尾代官はちょっと小首を傾げたが、確たる自信をもってこう続けた、

「いや断じて嘘ではない、拙者はこれまで賄賂を取らずに裁きをしたためしのない人間だ、あわ、わわ」

判官殿はびっくりしてもろ手で口をふさぎきょときょと周囲を見まわした、法廷いったいのくすくす笑いや眼くばせや、好奇心と野次馬根性の耳こすりは御想像に任せよう、兼尾殿は一段と声を高められた、

「――ここに汝、玉造の八百助ほど不届き至極なしれ者はない、つい一年前にもこれなる証人武藤権右衛門の悪辣無道を訴えにまいった、しかも権衛の悪辣無道は一郡に隠れもなき事実である、されば拙者は公平なる代官として権右衛門と懇談に及び」