Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

はですがたまんねんわかしゅ

艶容万年若衆

三上 於菟吉

Leggi 艶容万年若衆 (はですがたまんねんわかしゅ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.800 caratteri · 67 schermate

Aozora Bunko

呉羽之介、露月と不忍池畔に奇遇の事

呉羽之介、露月と不忍池畔に奇遇の事

揺るぎ無い御代は枝を吹く風の音も静かに明け暮れて、徳川の深い流れに根をひたした江戸文明の巨木には、豪華艶美を極めた花房が、今をさかりに咲き盛かり、散って萎れる末の世のかなしみの気配をば、まだこればかりも見せぬ元禄時代の、さる年の晩春初夏に、この長物語ははじまります。

それは四月なかばの、とある朝のことでありました。涼やかな軟風にさざなみを立てている不忍池畔の池添い道を、鉄色無地の羽二重の着流し姿に、橘の加賀紋をつけた黒い短か羽織茶色の帯に、蝋塗細身の大小の落し差し、編笠にかくれた面立は解りませぬが、年のころは三十あまりと思われるのが、只一人、供もつれず、物思いがちにブラリブラリと逍遙っておりました。

つい先達まで、寛永寺畔一帯に擾れ咲いていた桜は、もはや名残もなく散り果てて、岡のべの新緑は斜めに差すあざやかな光に、物なやましく映え渡り、木の間がくれに輝やいている大僧坊の金碧が、蓮の浮葉のいまだしげに浮んだ池の汀に映っているありさまは、ほんに江戸名所、東錦絵のはじめを飾るにふさわしい風情と見えるのです。

けれども件の侍は、あたりの眺めに心をひかれるさまもなく、思いありげなふところ手で、肩を落して、なぎさを北へと辿ってゆきます。