Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
なにしろ、こっちは、進退、法にかのうた喧嘩上手ばかり、敵の人数の多いことなんて、恐れはせん。そしたら、……」
と、なおも、自分が顔役として売りだすきっかけとなった血闘談を、たのしげに、つづける。
――やがて、警察の手が入ったので、一時、子分たちは、地方に、身を隠した。吉田は、一歩も家から出なかったので、お構いなし。これには、町の長老や、有力者の諒解運動があって、これだけの大喧嘩がウヤムヤになった。ひとり、吉田磯吉の名声が高まったのである。
この騒動を機に、若松には、警察のほかに、憲兵屯署が設けられるようになった。
それから、吉田の話は、
「玉井、森、君たちは、まだ、苦労が足らんぞ」
という言葉から、若い時代の苦闘談になる。いつ尽きるとも知れない。
「おれは、川舟乗りじゃったよ。十六くらいのときから、船頭になって、えらい苦労をした。夏は、まあええが、冬分は死ぬ思いじゃったなあ。遠賀川の洲の岸に、水棹を立てて、それに、舟を綱で纜う。寒風が吹きさらす。雪が降る。積荷の石炭の上にゴザをしいて、赤毛布一枚にくるまって寝たよ。今どきの若い者が、あたたかいものを充分に着こんでいながら、寒いなんち、いうちょるのは、ちゃんちゃら、おかしい。