Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
「疲れたので、盆から抜けて来ましたわ。ここで、しばらく、遊ばせて貰っていいでしょう?」
「それは、ええですよ」
金五郎は盃を取って、女の酌を受けた。ぐっと干してから、女にさした。酒の方も、女はなれた手つきである。
「ほんとに、久しぶりでしたなあ」
金五郎は、だいぶん、酔っていた。なんだか、夢幻のような気持である。
「あなた、玉井金五郎さんとおっしゃるのね。聞いたわ。あなたのおかげで助かりました。お礼に、お酌をします。今夜は、ゆっくり、飲みましょう。いろいろ、話したいこともあるし。……あたし、京子といいます。お京、と呼んで頂戴」
女は、金五郎へ、しなだれかかるように、寄り添った。木犀の花の香のような、官能をえぐる、誘惑的なにおいが、こころよく、金五郎の鼻をくすぐる。
「お京さん? ……ええ名じゃ」
と、金五郎は、柄にもないお世辞をいう。
「おつれさんがた、どういう方ですの?」
「北九州の親分さんです」
「親分といってもいろいろあるわ」
「石炭の親分ですよ」
「炭鉱を持ってらっしゃるの?」
「いんや、その炭鉱から出る石炭を、港で積む親分です。三井、三菱、安川、貝島、麻生、古河、……そんな金持の炭鉱が、筑豊炭田に、たくさんあるでしょう。