Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
活溌に、荷役が、開始された。
この種の仕事に馴れない大川時次郎は、艀の中で、「入れ鍬」をした。スコップで、籠に、石炭を入れる役である。女の領分だ。しかし、元来が百姓で、力はあるので、ちょっとの間に、要領をおぼえると、女の三倍は能率をあげた。
しかし、時次郎の関心は、無論、そんな、仕事を憶えることにはない。彼の胸中には、これまでに見た恋敵の言動が、一杯に、つまっている。
時次郎は、息苦しい。それは、肉体の過動から来るものではなくて、明らかに、精神の昏迷から、来ているものであった。
(玉井金五郎という男は、おれの考えていたような、飲んだくれの、ばくち打ちの、ゴロツキとは、すこし、違うようじゃ)
時次郎にとっては、マンを独占している男が、醜男で、グウタラで、無能で、なんの取り柄もないヤクザ者であった方が、はるかに、よいのであった。前夜、マンと、蒲団のことで、押し問答をしているところへ、突然、あらわれ、彫青の肌をむきだして、「打ち斬ってくれる」といったときには、金五郎を怖れる気持は、すこしもなかった。ところが、今、そのゴロツキが、なにをしたかを、終始、目撃した時次郎は、しだいに、金五郎を怖れる気持を生じていた。