Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
井場という船具商である。
「あれは、玉井金五郎というて、このごろ、聯合組の小頭になった人です。私の店で、いつも、道具を買うてくれるんで、よう知っとる。道具番に、もと鍛冶屋じゃった清七さんというのが居ってね、これが本職じゃもんで、スコップでも、雁爪でも、チェーン・ボロッコでも、いちいち吟味したうえでないと、引きとらん。それだけ、現場の荷役には危げがないわけですな。若手じゃが、玉井金五郎さんは、ゆくゆくは聯合組を背負うて立つ人と、あの人を知っとる者は、みんな、いうとります」
「それにしても」と、幹部の中老人が、吐息をつくようないいかたで、「若松は、こんなことでは困るなあ。こう暴力団がはびこって、堅気の者をいじめられては、まともな商売はやって行けん。吉田磯吉さんはえらい人かも知れんが、子分連中が、どうもなあ……」
「町会議員にも、ばくち打ちやら、ゴロツキやらが出るようになるぞ」
「今のうちは、まだええが、普選にでもなったら、なにが飛びだすやら、わからんわい。暴力団が政治の権力でも握ったら、大きな大事になる」
若い井上安五郎は、ちびちびと盃をなめながら、無言で、大人たちの繰言を聞いていた。