Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate

Aozora Bunko

(一杯、食った)

唇を噛んで、息をのんだ。

「こがいなええ話、めったに、あるもんじゃないぞな」

してやったりというように、※は、にたにた笑って、返事をうながす。

黒石家から、金五郎を養子に欲しいという申し入れは、もう、長い話である。当主黒石幸作は、潮見村で一二といわれる分限者だが、子供が一人しかない。それが、娘で、角力取りのような大女のうえに、すこぶるつきの醜女と来ている。どうしても、婿養子をしなくてはならぬけれども、来手がない。女には眼をつぶり、財産目あてで来ようという者もないではないが、そういうのは黒石の方で気に入らない。身体が頑健で、仕事が出来、男ぶりも十人並、親を大事にし、娘を可愛がってくれる男が欲しい。その白羽の矢が玉井家の三男坊、金五郎に立てられたのである。

「村中見わたしても、金さんをおいては、他に一人も、これと思う男は居らんでなあ」

黒石幸作は、そういう。中風が出て、すこし不自由な身体を、自身で、何度も、玉井家に運んで来た。

父卯八や、兄卯太郎は、先方の莫大な財産に、食指がうごかないでもなかったので、

「どうじゃ、金坊、黒石に行って、ヤス坊を嫁にして、村一番の物持になるかい?」