Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate

Aozora Bunko

浅黒い顔に、若いころから、金魚といわれた特徴のある眼が大きい。

「すこし腰が痛くなった。九州から東京は遠いなあ。昔の殿様はこの長道を歩いて、参覲交代しよったと思うと、あきれてしまうよ」

「二ヶ月くらい、かかるじゃろな」

そんな話をして笑いながら、地下道を降って行くと、

「玉井君」

と、呼ばれた。

友田喜造であった。鳶のような眼は、年をとるにしたがって、いよいよ鋭さを増して、その底に、さらに、陰険で狡猾な色が露骨に光っている。新調したらしい縹の背広を着ているが、着なれないとみえて、どこかに借りもののようなところがある。金時計の金鎖をチョッキにのぞかせ、眼鏡も金縁、ステッキの握りも金。

洋服といえば、金五郎も、自分の背広が、なんだかまだ板につかない。「馬子にも衣裳」というけれども、沖仲仕や、女郎屋のおやじ、バクチ打ち、ゴロツキ、石炭ブローカー、などが、三ツ揃いの背広を着、靴をはいてすましているのがおかしくてならなかった。

「なんですか?」

ふりむくと、

「君に、今夜、どうしても話して置かにゃならんことがある。君は、どうも、今度の上京をええことにして、怪しからんことを考えとるようにあるが。