Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate

Aozora Bunko

手紙などではなにも意をつくしません。いずれ、すべては、ふたたび、お目にかかる日に。京より」

読み終って、金五郎は、巨大なためいきをついた。

(まるで、謎々じゃ)

お京の手紙は茫漠としていて、とらえどころがない。不気味である。

金五郎は、手紙を財布におさめ、それを上衣の内ポケットに入れた。店に出た。

豆八、源十をまじえ、勝則と四人、スズキを肴に、無意味な談笑を三十分ほどして、「六ゾロ」を出た。

月光の街を抜けて、家に帰った。

まだ起きて待っていたマンが、出迎え、

「お疲れさま。風呂がわかしてありますよ。……おや、漁は?」

「かえりに、食うてしもうたよ」

「明日のおかずは買わんでええと思うとったのに……」

「市場で、お前が釣って来い」

そんなへらず口をたたいて、笑いながら、金五郎と勝則とは、裸になって、浴室に入った。

脱いだ着物をかたづけようとしていると、夫の服から、なにか、落ちた。財布だった。

マンは、不審の面持で、拾いあげた。

(この財布は、東京で、チボから盗まれたというとったのに、……?)

横三寸、縦五寸、黒革で、止め金に銀の小菊が彫ってある。「ちきり屋」