Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate

Aozora Bunko

しかし、主はそれを見せびらかしておいて、「もし、これが欲しかったら、その前に、誰それに、とり憑いて来い」と命じる。怨霊となった犬神は、目的の人間の体内へもぐりこんで、方々を肉の瘤となって移動する。その苦痛は耐えがたい。――この地方に昔から伝わっている、不気味な呪いの方法であった。

金五郎は、清七が鍵をつくってくれるのを待った。

馬鹿叮嚀に、念を入れる清七が、半紙に墨で押した鍵穴の型をもとにして、一つの鍵をこしらえあげたのは、頼んでから、一週間目も後であった。

「やっと、でけたぞな。……そら、そうと、まあだ、犬神は来んけ?」

「待っとるが、一向に来ん。呼んで来てくれんか」

その次、逢った清七は、「とうとう、犬神奴、飢え死にしてしもうたげな」と、腹をかかえて笑った。

五月に入って間もなく、兄夫婦が伊勢詣りに旅立った。このときをおいて、機会はない。

金五郎は、清七の作ってくれた合鍵を、箪笥の鍵穴にはめた。ぴったりと合った。あけてみると、紙幣、銅貨、銀貨がとりまぜて、ざくざくと入っている。七百円ほどもあった。いきなり、そのうち、二百円ほどをふところに入れた。