Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate

Aozora Bunko

そうすると、親分はせせら笑って――おれを斬る気か。よし、面白い。斬られてやろう。さあ、どっからでも斬れ。……そういってちょうど、あなたのしたように、彫青の諸肌ぬぎになって、大の字に寝ましたなあ。斬れるもんか、と、なめきっているんですね。無論、わたしも、もののはずみで短刀を抜きはしたものの、親分を斬る気など、毛頭なかったんです。でも、親分が、斬れる筈がない、と、あんまり軽蔑しきった態度で――さあ、斬らんか。斬れるものなら、斬ってみろ。斬れまいが。……などと、馬鹿にして笑うのを見て、ほんとうに、親分を斬ってしまったんです。そんなことがありました。……失礼しました」

男は、叮嚀に頭を下げると、すたすたと、公会堂の表の道に、去って行った。

呼びとめる言葉もうしなって、金五郎は呆然と立っていた。男の後姿が夜の街に見えなくなり、雪駄の足音が消えてから、われに返った。思わず、一つ、巨大なためいきが出た。

(なんちゅうことか)

自分の愚かさに、腹が立った。したたかに、背負い投げで、地面へ叩きつけられた気持である。思いあがったきざな英雄的ポーズ、先刻の自分の姿の醜さに、へどが出そうだった。