Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate

Aozora Bunko

「そげえして下さりゃ、わたしも一所懸命やります」

大石鶴松は、やっと機嫌をなおした。

玉井家の隣りに、「三福湯」という風呂がある。これは十年ほど昔、大石、金五郎、それに、山本佐四郎という質屋を加えて、三人共同経営ではじめたので、「三福湯」という名をつけたのであるが、後、大石一人に譲った。大石は、六十歳近く、禿頭の大入道で、頑固一徹ではあるが、誠実な人柄なので、金五郎は、選挙のたび、事務長をやって貰っていた。

大石鶴松は、金五郎の前に、碁盤のあるのを見ると、

「一番、昨日の仇討を」

といって、もう、黒石の碁器を取った。

打ちはじめたところへ、マンが、茶を運んで入って来た。

「大石さん、毎日、お疲れさんで、……」

「ほんとに、くたびれます。選挙になると、いつも、二貫目ほど痩せますたい」

「お父さん」

と、マンは、金五郎の方を向いた。

「あン?」

「今夜の演説会は、公会堂ね?」

「そうじゃ」

「あたしも、行ってみようか知らん?」

「お前はおれの演説なんて、聞かんでもええ。三十年近くもいっしょに暮して、おれの話なんて、聞き飽いちょろうが、……」

「ほんとに。それは、もう、お父さんのいうことは、聞かんでもわかっとる。