Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
その次が、原田雲井で、四八票。中村勉、六三票。玉井金五郎、九九票。井上安五郎、一〇一票。
渋い顔で、ずらりと眺めまわした原田は、かたわらの机にいる大川時次郎に、
「全部で、どのくらい票が出ましたとな?」
と、訊いた。
時次郎も、泣きそうな顔をしている。わざわざ、直方の炭坑から、応援にかけつけて来たのに、努力の甲斐もなかったのである。原田にたずねられ、机のうえの紙片をパラパラめくって、面倒くさそうに、
「六千九百三十……、大体、七千票でしょうかなあ」
「フム、そうすりゃあ、もう、後は、千票あまりしか残っとらん勘定じゃが、……」
望みがない。惨敗――原田は、眼を怒らして、歯がみした。
隣室で、「六ゾロ」の源十が、なにかの広い紙を、力まかせに、ベリベリと引き裂いている。
「当選御礼」の張り札だ。開票がはじまったころ、市中に張りだすため、二十枚ほども書いたのだった。
原田は、ぐったりとなったように、腰を落した。
「原田君、いっちょ、行こか?」
と、金五郎が笑いながらいった。
「碁な?」
「うん」
「よし、やろ」
やけ糞のように、原田は叫んだ。
二人は、碁を打ちはじめた。