Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate

Aozora Bunko

舌打ちをして、下唇を噛む。

そうすると、

――友田喜造。

最後に、きまって自分の前に突っ立つ、この宿敵の像。数箇所に刀痕のある、どす黒い顔に光る鳶のような眼が、ニタニタ、嘲笑するように笑っている。

「玉井、今度こそは、貴様のグウの音をとめてやるぞ」

そういっている女のような黄色い声が、はっきりと、聞える。

(どうしたら、よいのか?)

考えていると、金五郎は、泣きたくなって来るのであった。

マンは、毎日、金五郎の顔色を見ている。はがゆくてたまらぬらしい。すこしも進捗しないことを知って、

「お父さん、いっそ、ストライキをやんなさいよ」

そんなことを、いう。

或る日、もう日が暮れてから、金五郎は、不思議な様子で、帰宅した。

いつものように、チョッキの上に「玉井組」の半纏がけであったが、まるで、身体の中心をうしなったように、ふらふらしている。酔っぱらっているようでもあり、素面のようでもある。顔色は青ざめ、眼はとろんとして、どこを見ているのかわからない。しまりのなくなった唇はたれ下がって、白っぽい舌がはみ出ている。朝、出るときには被っていた帽子も、どこかに落して来たらしかった。