Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
子供たちは鍋をつつき、酒を飲む者は盃をやりとりした。
「よし、お父さんが、いっちょ、ゴンゾ踊りを見せてやろ。昔、ここに居るババンの永田組で、お母さんと二人で、ゴンゾして、働いちょったんじゃ。……お母さん、歌えよ」
「なにを歌うの?」
「わかっちょるじゃないか。ゴンゾ歌よ、文句はどれでもええ」
いくらか赤くなった金五郎は、立ちあがった。浴衣の諸肌をぬいだ。彫青の見えないように、長袖のシャツを着ている。
マンは、すでに、ただならぬ夫の気配を感づいていた。
(なにか、大変なことを考えとるのにちがわんわ)
それがなんであるかは、明確に知ることが出来なかったけれども、けたたましい金五郎のおどけ振りに、マンは、異様な不安と、胸騒ぎとを覚えた。こんなに楽しいわけがないのである。争議の経過は、金五郎の意に反することばかりの続出で、最近は、一日として、明かるい顔をしたことがない。特に、この数日、怠業の失敗のために、土壇場に近い苦境に立っている筈だ。それをよく知っているマンには、今夜の唐突な金五郎のはしゃぎようが、恐しいのであった。
(なんのお芝居をしとるのじゃろうか?)
苦しくなると、芝居をする夫であるが、今夜の演技の意味は、マンには理解出来なかった。