Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
短刀を口にくわえ、赤ダスキをかけた「猫婆さん」が、花札を、ビュウ、ビュウ、と、目つぶしの礫のように、風を切って投げながら、街を練り歩いている。目標が友田勢であることはいうまでもない。もし、それが当れば、剃刀をぶっつけられたと同じだ。十数匹の猫が、川野ノブの後をついて行く。
「眼のいらん者は、こっち向け」
菊、牡丹、萩、菖蒲、桜、梅――十二月の花々が、雪のなかを飛んで、雪のうえに落ちた。
「猫婆さん、危いばい」
胡蝶屋豆八が、電柱のかげから、声をかけた。
「危いのは、お前じゃい。家に帰って、炬燵のなかにでも入っちょれ」
ドテラを着ているノブは、ギョロギョロ、あたりを見まわす。
明治町と三内町との角で、
「来やがれ」
「来やがれ」
刀の切っ先をつきあわせたまま、二人の博徒が、睨みあって、立ち往生している。どちらの額からも、生汗がダラダラと流れ落ちているが、もう二十分近くも、刀を合わせたきり、喘ぎ喘ぎ、同じ言葉を投げあっているだけだ。その言葉も、今はくぐもった呻き声に変っている。
二人は、次第に、腰を低めて、雪の地面へ坐りこんでしまった。それでも、刀だけはなお突きあわせて、まだ、