Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate

Aozora Bunko

急ぐらしく、金五郎がいないと困るといい、「至急、帰若するよう、電報でも打って貰いたい」といわれた。

しかし、マンは、電報を打たなかった。

金五郎が帰ったのは、上京してから、半月ほど後である。一人ではなく、般若の五郎をつれていた。

「お京さんは?」

「死んだ」

金五郎は、ぽつんと、投げすてるように、一言いったきりである。仏頂面をしていて、東京でのことを、なに一つ、語ろうとしない。

「五郎さんを、家に引き取ることにしたけ、頼むばい」

その言葉の意味も、マンにはよくわからない。

(なにか、あたしに、話されんことがあったとじゃないか知らん?)

疑惑が、かるい嫉妬をともなって、マンの心に湧いた。マンも女である。考えはじめると、夫の不可解な沈黙が、矢も楯もたまらぬ焦躁となって、心をみだした。にわかに、君香のいった言葉がよみがえって、

(もしや?)

と、思う。

「ようし」

と、マンは、呟いた。

深夜になって、マンは不思議な活動を開始した。

金五郎の寝息をうかがうと、廊下の壁にとりつけてある電燈の元のスイッチを切った。一時に、家中の明かりが消えて、暗黒となった。

手さぐりで、便所に行った。