Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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めばえ

芽生

宮本 百合子

Leggi 芽生 (めばえ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 40.924 caratteri · 81 schermate

Aozora Bunko

「じゃおかえり、今夜は寝られなくなるかも知れないネエ、私もそこまで行こう」

近頃にないほど感情の妙にたかぶって居る女を、別にとめようともしないで男は一緒に上り口から軽るそうなソフトを一寸のっけて年の割に背のひくい男の白い爪先を見ながら、ふところ手をして歩いた。

二人はおうしにされた様におしだまって、頭の方を先に出してあかるい町の灯をよける様にして写真屋のかどまで来た。

「ここで買物して私はかえるよ」

男は云いたくない事を無理に云う様な調子に云った。

「そう、家へいらっしゃいな、あの人達もまってるんだから……そうなさいネ」

女は別に並の女のよくする様なおあいそうのある様子や目つきは一寸もしないであたりまいサと云った様に云った。

「そうさネ……だが今日はよそうよ、用もたまってるし書かなきゃならない事だってあるんだし」

男は女に気がねする様にしずかに云うのをそっけなく、

「そう、じゃ左様なら、又いつか……」

と云い押えてかるく頭を下げて両手をふところに入れて、わき目もふらずに歩き出した女は、ふりっかえらない。でも男が写真屋の店さきに原造の薬を出させながらまつひまに私の後姿を見て居るのだと云う事を知って居た。