Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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わかとのじょなんき

若殿女難記

山本 周五郎

Leggi 若殿女難記 (わかとのじょなんき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.611 caratteri · 45 schermate

Aozora Bunko

「その口を閉めろ、ばか者」紋太夫は低く叱りつけた。「今夜からの貴様の役はそんな暢気なものではない、われわれの申付けを守って温和しくしておれば栄耀栄華な一生が送れる、が、申付けを守らず、ちょっとでも詰らぬ失策をすると縛り首だ、これが空威しでないことは、自分の役目を考えるだけでわかるだろう」

「け、けれども」伝吉は拳骨でぐいと鼻をひっこすった。「けれどもですね、わっちゃあ」

「黙れ口を閉めろ、そのわっちも唯今から禁ずる、起ち居も動作も、言葉づかいも、予て教えられたとおりにやる、いいか、貴様は馬鹿だ、自分は愚か者だということを毎も肚で考えておれ、おれは馬鹿だ、すべて付いている者のいうままになろう、――常にこう考えるんだ、わかったな」

「けれどもですね、その、わっちは」

「それもう出る、縛り首だぞ」紋太夫は平手打ちをくれるように、真向からきめつけた。それから例の家来なる者に振返って、「これはやはり其許がいかぬとだめだな、宙野、いってくれるか」

「まいりましょう」宙野、即ち家来なる者は宙野儀兵衛という、二十七歳の逞しい青年で、小脳の皺一つ多いといった眼つきをしている。