Classici giapponesi con furigana
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ちゃがゆのき
茶粥の記
矢田 津世子
Leggi 茶粥の記 (ちゃがゆのき) di 矢田 津世子 (やだつせこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.568 caratteri · 30 schermate
極上等の緑茶で仕立てる。はじめっから茶汁でコトコト煮るよりは、土鍋の粥が煮あがるちょっと前に小袋の茶を入れたほうが匂いも味もずんと上である。この茶袋の入れかげんがまことに難かしい。お粥の煮える音でそのかげんをはかるので姑はお粥炊きの名人だと感心する。それでなおのこと打込んで、いろんなお粥を工夫しては喜ばれる。紫蘇粥、青豆粥、海苔粥、梅干粥……この梅干のお粥のことは良人が「味覚春秋」の新年号にも書いたほどである。グツグツ煮えはじめた頃合いを見はからって土鍋の真ん中へ梅干を落して、あとはとろ火で気長に煮あげる。粥は梅干の酸味を吸い出し梅干は程よい味にふっくらと肉づいて、なんともいいようなく旨い。サラッとした口あたりが殊によい、梅干は古いほどよかった。良人の役所の小使が宝のようにしていたという明治二十六年漬の梅干を拝むように頼んで分けてもらったのが今でも大事に納ってある。いつだったか近所に火事があったとき、良人がこの梅干の小壺を抱えてうろうろしていた恰好があとあとまで笑い種になった。
土鍋一つで清子がいろいろなお粥をこしらえるものだから良人は清子のことを「粥ばば」