Classici giapponesi con furigana
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くさめいきゅう
草迷宮
泉 鏡花
Leggi 草迷宮 (くさめいきゅう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 71.733 caratteri · 142 schermate
「もし、大分漏りますが、もし葉越さん。」
と呼んだが答えぬ。
目敏そうな人物が、と驚いて手を翳すと、薄の穂を揺るように、すやすやと呼吸がある。
「ああ、よく寝られた。」
と熟と顔を見ると、明の、眦の切れた睫毛の濃い、目の上に、キラキラとした清い玉は、同一雨垂れに濡れたか、あらず。……
来方は我にもあり、ただ御身は髪黒く、顔白きに、我は頭蒼く、面の黄なるのみ。同一世の孤児よ、と覚えずほうり落ちた法師自身の同情の涙の、明の夢に届いたのである。
四辺を見ると、この人目覚めぬも道理こそ。雨の雫の、糸のごとく乱れかかるのは、我が身体ばかりで、明の床には、夜をあさる蚤も居らぬ。
南無三宝、魔物の唾じゃ。
三十九
例の、その幻の雨とは悟ったものの、見す見すひやりとして濡るるのは、笠なしに山寺から豆腐買いに里へ遣られた、小僧の時より辛いので、堪りかねて、蚊帳の裾を引被いで出たが、さてどこを居所とも定まらぬ一夜の宿。
消えなんとする旅籠屋の行燈を、時雨の軒に便る心で。
僧は燈火の許に膝行り寄った。
寝衣を見ると、どこも露ほども濡れてはおらぬ。まず頬のあたりから腕を拭こうとしたほどだったのに……もとより寝床に雨垂の音は無い。