Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くさめいきゅう

草迷宮

泉 鏡花

Leggi 草迷宮 (くさめいきゅう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 71.733 caratteri · 142 schermate

Aozora Bunko

心に叶って逗留もしようなら、用いて書見をなさいまし、と夜食の時に言ってくれた。

その机を、今ここへ。

御厨子を据えて、さてどこへ置直そうと四辺を視た時、蚊帳の中で、三声ばかり、太く明が魘された。が……此方の胸が痛んだばかりで、揺起すまでもなく、幸にまた静になった。

障子を開けて、縁側は自分も通るし、一方は庭づたいに入った口で、日頃はとにかく、別に今夜は何事もない。頻に気になるのは、大掃除の時のために、一枚はずれる仕掛けだという、向うの天井の隅と、その下に開けた事のない隔ての襖の合せ目である。

「わが仏守らせたまえ。」

と祈念なし、机を取って、押戴いて、屹と見て、其方へ、と座を立とうとする。

途端であった。

「しばらく。」

ずしん、地の底へ響く声がした。

明が呼んだか、と思う蚊帳の中で、また烈しく魘されるので、呼吸を詰めて、

「…………」

色を変える。

襖の陰で、

「客僧しばらく――唯今それへ参るものがござる。往来を塞ぐまい。押して通るは自在じゃが、仏像ゆえに遠慮をいたす。いや、御身に向うて、害を加うる仔細はない。」

ト見ると襖から承塵へかけた、雨じみの魍魎と、肩を並べて、その頭、鴨居を越した偉大の人物。