Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
くさめいきゅう
草迷宮
泉 鏡花
Leggi 草迷宮 (くさめいきゅう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 71.733 caratteri · 142 schermate
が、その時の大火傷、享年六十有七歳にして、生まれもつかぬ不具もの――渾名を、てんぼう蟹の宰八と云う、秋谷在の名物親仁。
「……私が爺殿でござります。」
と姥は云って、微笑んだ。
小次郎法師は、寿くごとく、一揖して、
「成程、尉殿だね。」と祝儀する。
「いえ、もう気ままものの碌でなしでござりますが、お庇さまで、至って元気がようござりますので、御懇意な近所へは、進退が厭じゃ、とのう、葉山を越して、日影から、田越逗子の方へ、遠くまで、てんぼうの肩に背負籠して、栄螺や、とこぶし、もろ鯵の開き、うるめ鰯の目刺など持ちましては、飲代にいたしますが、その時はお前様、村のもとの庄屋様、代々長者の鶴谷喜十郎様、」
と丁寧に名のりを上げて、
「これが私ども、お主筋に当りましての。そのお邸の御用で、東海道の藤沢まで、買物に行ったのでござりました。
一月に一度ぐらいは、種々入用のものを、塩やら醤油やら、小さなものは洋燈の心まで、一車ずつ調えさっしゃります。
横浜は西洋臭し、三崎は品が落着かず、界隈は間に合わせの俄仕入れ、しけものが多うござりますので、どうしても目量のある、ずッしりしたお堅いものは、昔からの藤沢に限りますので、おねだんも安し、徳用向きゆえ、御大家の買物はまた別で、」