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Classici giapponesi con furigana

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しょうたく

荷風随筆集(下)〔全2冊〕

永井 荷風

Leggi 荷風随筆集(下)〔全2冊〕 (しょうたく) di 永井 荷風 (ながいかふう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.633 caratteri · 74 schermate

Aozora Bunko

十九の秋

近年新聞紙の報道するところについて見るに、東亜の風雲はますます急となり、日支同文の邦家も善鄰の誼しみを訂めている遑がなくなったようである。かつてわたくしが年十九の秋、父母に従って上海に遊んだころのことを思い返すと、恍として隔世の思いがある。

子供の時分、わたくしは父の書斎や客間の床の間に、何如璋、葉松石、王漆園などいう清朝人の書幅の懸けられてあったことを記憶している。父は唐宋の詩文を好み、早くから支那人と文墨の交を訂めておられたのである。

何如璋は、明治十年頃から久しい間東京に駐剳していた清国の公使であった。

葉松石は同じころ、最初の外国語学校教授に招聘せられた人で、一度帰国した後、再び来遊して、大阪で病死した。遺稿『煮薬漫抄』の初めに詩人小野湖山のつくった略伝が載っている。

毎年庭の梅の散りかける頃になると、客間の床には、きまって何如璋の揮毫した東坡の絶句が懸けられるので、わたくしは老耄した今日に至ってもなお能く左の二十八字を暗記している。

梨花淡白柳深青 〔梨花は淡白にして柳は深青

柳絮飛時花満城  柳絮の飛ぶ時 花 城に満つ

惆悵東欄一樹雪  惆悵す 東欄一樹の雪